2019グッドデザイン賞の応募や審査基準、費用を調べてわかった事実

こんにちは、ゆーすけ(@yusuke_plmrstn)です。

街中やCM、雑誌などでこういうマーク見たことありませんか?

Mark

◯◯年グッドデザイン賞受賞!というメッセージとともに商品が紹介されていることがあります。

これを見ると「お、なんかすごい賞を獲った商品なんだな、かっこいい!」と思いがちですが、そもそもグッドデザイン賞って何じゃろか?と疑問が湧いてきました。

グッドデザインって誰がどういう基準で決めているんだろうか、これだけたくさん見かける賞ならあまりありがたいものでもないのかなどなど、調べてみるとたくさんの残念なことがわかってきました。

グッドデザイン賞とは

グッドデザイン賞とは1957年に創設された日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組みです。

この賞をスタートしてから59年間の間で受賞件数は4万件以上!

そりゃあ至る所で目にするわけだ。

誰かの生活を豊かにすること、またはその可能性があること。それを実践しているものごとに対してグッドデザイン賞が与えられる可能性があるようです。

Good Design Award

グッドデザイン賞の種類

一口にグッドデザイン賞といっても実はいくつかの種類があるの知ってました?

上から順番にざっくり分けると

  • グッドデザイン大賞
  • グッドデザイン金賞
  • グッドデザイン特別賞
  • グッドデザイン賞

に分かれます。

街中で「グッドデザイン賞受賞!」と見かけたらその内容に注目してみましょう。

大賞なのか、金賞なのか、特別賞なのか、普通の賞なのか。 

グッドデザイン賞への応募方法

グッドデザイン賞に応募できるのは企業はもちろんのこと、個人でも可能です。

ただしその場合は「応募する対象物に対して主たる責任者であること」が条件です。

自分がデザインや生産をして責任者の立場にあれば誰でも応募可能というわけですね。 

例えば個人で作成した美術品などにグッドデザイン賞という箔をつけたいのであれば、規定の手続きを踏むと応募できちゃいます。

グッドデザイン賞の審査期間

グッドデザイン賞は初期エントリーから最後の特別授賞式までを総合すると約8ヶ月間にも及ぶロングスパンのイベントです。

例えば2016年を例にとると、

4月〜5月:応募受付の期間
6月    :一次審査結果発表
9月    :二次審査結果発表、受賞者発表
10月  :大賞、金賞、特別賞発表
12月  :特別賞受賞式 

といった感じで年がら年中審査してるイメージですね。

グッドデザイン賞の受賞率

これだけ大々的にやってる賞であれば受賞するのもさぞかし難しいんだろうと感じますが、実は数字だけを見るとそれほど特別に厳しい審査でもないのかなという印象を受けます。

というのもここ最近の応募総数と受賞数を比べて見ると、平均応募数が年間約3,600件に対して受賞数は1,200件、つまり3件に1件が何らかのグッドデザイン賞を受賞しているということになります。

下手な鉄砲数撃ちゃあたるということわざがありますが、まさにそれを表しているような賞ですな。

じゃあみんなバンバン応募すればいいじゃん!と結論づけたくなりますが、ハードルを上げている要因があります。

それは審査料や出展料として徴収される費用です。 

グッドデザイン賞の費用

グッドデザイン賞を獲るために必要な費用がいくつかあります。

まず一次審査料として10,800円必要です。
次に二次審査料として57,240円必要です。

二次審査から跳ね上がりますね。

無事に二次審査を通過すると少なくとも「グッドデザイン賞」の受賞は確定していますので、まずはここを目指すわけですね。

そしていよいよ受賞展になるわけですが、受賞展出展料として124,200円必要になります。かなり高額な費用です。

それに加え、受賞作品はもれなく年鑑に掲載されることになるのですが、年鑑掲載料として32,400円必要になります。

つまりグッドデザイン賞を受賞すれば少なくとも224,640円の費用が必要ということになります。

これらの費用は応募1件に対して必要な額のため、たくさん出品して応募数が多ければ多くなるほど費用負担も増えるということ。

個人で応募しようと思っても気軽にチャレンジできないハードルがここにあります。 

さらにハードルを押し上げるのが「Gマーク使用料」の存在。

Gマークというのは赤字に白いGのアルファベットがプリントされた、

このマークのことなんですが、何らかのグッドデザイン賞を受賞し、広告などでGマークを掲載するためには年間216,000円〜の使用料が必要です。

受賞作品1つ1つに必要なわけではなく、応募した団体や個人ごとに必要とのこと。とことんむしり取られます。

もちろんグッドデザイン賞を受賞すれば堂々と売り出せるわけなので、企業としては費用よりも受賞に伴う売上増で利益を見込めます。

一方で個人の場合でもグッドデザイン賞のブランドを活かしたマーケティングで販路拡大を狙うこともできますが、限界もありますね。

そもそも一般人がグッドデザイン賞に対してどれだけの価値を感じているのかが問題になります。 

身の回りのグッドデザイン賞

自分の身の回りにどんなグッドデザイン賞があるのか調べてみました。

ANA羽田空港国内線カウンター

最近おどろいたグッドデザイン賞は羽田空港のANA国内線カウンターです。

評価のポイントになったのは自動手荷物預けシステム

Ana(参照:ANA

2015年7月からANAが導入したこのサービス、今まではカウンターでお姉さんが手荷物の預かりを対応してくれていましたが、今は完全自動化されてるの知ってました?

人件費の削減ができる他、一度に処理できる乗客数が増えることに加えて時間削減にもつながります。

これが高評価のポイントになり、カウンターが2016グッドデザイン賞を受賞しています。

僕のイメージだと、例えば文房具とか雑貨とか生活に密着した製品がグッドデザイン賞を受賞するという固定観念があったため、手荷物預かりカウンターがグッドデザイン賞と聞くとビックリしてしまいました。

避難所の仕切り

熊本震災で避難生活を送る方々のプライバシーを守るため導入された仕切りがグッドデザイン賞を受賞しています。

Shikiri

まじか?と一瞬目を疑いたくなりますが本当です。

手軽に組み立てることができ、プライバシーを守りつつかつ衛生的という点が認められての受賞。

災害時には役立つでしょうけど、果たしてグッドデザイン賞に申請する必要はあったんでしょうか。

タイヤ

こちらのタイヤもグッドデザイン賞です。

Tire

タイヤなんてどれも一緒やん?と思ってしまうゆーすけです。

グッドデザイン賞の費用対効果

さて実際のところ僕たち消費者はグッドデザイン賞だからといって購買意欲がそそられるものなんでしょうか。

2017年1月に実施されたグッドデザイン賞認知率調査によると、商品にGマークが付いていることによって商品に魅力を感じると答えた人は全体(2100人)の60%近くいることがわかりました。

グッドデザイン賞の魅力グラフ

一方、Gマークが付いている商品を購入したことがある人は全体の50%にのぼることもわかりました。

グッドデザイン賞の費用対効果

個人的な感想として、Gマーク付きで商品が並んでいたとすると「グッドデザイン賞か、どれどれ、どんな形をしてるのかな?」と興味をひかれて手に取る自分の姿が想像できます。

Gマークの認知度が80%近くもあることを考えると、Gマーク付き商品が他の商品よりも興味をひく存在であることは間違いないと思います。

グッドデザイン賞の認知度

何千点、何万点と並ぶ商品の中で興味をひく存在になるのはとても重要なこと。周りとの差別化を図る意味でもグッドデザイン賞は効果的かもしれません。

デザイナーズと聞くとおしゃれ感はあるけどお値段高めな印象がありますよね。

少し昔の記事ですが、無印良品がグッドデザイン賞について語る記事が紹介されていました。

販促の目的よりもデザインのプロたちに自分たち(無印良品)のプロダクトを客観的に評価していただく場として考えています」というのが無印良品のスタンスだそう。

グッドデザイン賞だからといって売上につなげようとはせず、力量試しの場として利用している企業もあるわけですね。 

ゆーすけで試してみた

グッドデザインマークがあれば少しはそれっぽく見えるのかどうか。
ゆーすけの写真で試してみました。Me1

んー、どうだろうか。

Me2びみょーだなー。

Me3

・・・
うん、あんまり効果なし。
闇雲にマークがつけばオッケーというわけでもなさそうです。

まとめ

グッドデザイン賞だからスゲー!というわけでもなさそうな結果に終わった今回の検証。

受賞してもそれが直接的な販促につながるわけでもなく、審査料も決して安くないという理由から今後グッドデザイン賞がどうなるのか個人的に興味があります。

応募の3分の1が受賞できるのであればお金を出して賞を買ってるようなものですね。本当にこれに意味があるのか疑問を感じます。

以上、グッドデザイン賞の検証でした。 

ゆーすけ(守屋祐輔)

ゆーすけ(守屋祐輔)

複業サラリーマン

会社員×ブログ×デザイン×講師×投資の5つの働き方・稼ぎ方を実践する複業サラリーマンブロガー ▼複業で立ち上げたご署名ネットではこれまで1,600人以上、11,000点以上の作成実績。TV, ラジオ, 雑誌など出てます。▼経験から学んだノウハウや考え方、自分の人となりがわかる記事をお届けします

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