こんにちは、ゆーすけ(@yusuke_plmrstn)です。
先日会社の出張で飛行機を利用したのですが、それで思い出しました。
僕、学生の就活で飛行機のパイロットを目指したことがあったんです。
特別な専門学校に通う必要もなく、誰にでもパイロットになれる自社養成というチャンスがあると知って飛びつき、フライトシミュレーター選考まで進んだのですが結果としては不合格。
他ではできない貴重な体験だったこともあり、今回はその選考の様子をご紹介したいと思います。
この記事の目次一覧
パイロットになれる自社養成とは
パイロットになるためには専門学校で資格を取得するか、僕が応募したような自社養成という方法があります。
自社養成とはANAやJALが一般の学生を採用し、パイロットとして自社のプログラムを使っていちから養成することを指します。
つまりちゃんと卒業見込みがある人であれば誰でもパイロットに応募することができます。
※ここでいう卒業見込みは新卒を含め過去3年間に卒業した人も対象になります(年齢、性別、学部に制限なし)
見事合格することができれば数年間の研修を経ながらパイロットとしての道を目指すことになります。
ANAとJALの自社養成に関する詳細はこちらからどうぞ。
自社養成パイロットの倍率
パイロットは昔から人気の職業ですが、誰にでも可能性が開かれている自社養成は当然ですがかなり狭い門だということは覚えておいて下さい。
ANAもJALも100倍以上の倍率は当たり前。
日本全国から学生が集まるためそこを勝ち取るだけの素質が必要です。
自社養成パイロットの応募条件
自社養成パイロットに応募できる条件は次の通りです(2019年ANA新卒向け)。
■【新卒I】
2018年4月から2019年3月までの間に4年制大学または大学院の文系学部・理系学部(全学部)を卒業または修了見込みの方。
■【新卒II】
2015年4月から2018年3月までの間に4年制大学または大学院の文系学部・理系学部(全学部)を卒業または修了された方。(見込みの方)
■卒業(修了)後3年以内までを新卒と見なします。
ただし、職種エントリー(Web基礎適性検査受検)完了時に正社員・契約社員・派遣社員として就業していないこと。また、他社からの入社内定を受諾していないこと。
■各眼の矯正視力が0.7以上であること。(裸眼視力の条件はありません)
■各眼0.7、両眼1.0以上の視力に矯正できるレンズの屈折度が±8ジオプトリーを超えないこと。(オルソケラトロジーを受けていないこと)
新卒の対象が広い
まず注目したいのは「卒業後3年以内までを新卒と見なす」という点。
本気でパイロットを目指したい人にとっては嬉しい制度です。
年齢制限もないため、対象年度の人であればぜひとも活かしたいチャンスですね。
過去の自社養成受験歴は関係ない
2017年までの自社養成パイロット試験では「過去に自社養成パイロット試験を受験した人のうち、模擬操縦ツール(フライトシュミレーター)で落ちた人は再度受験することはできない」という決まりがありましたが、2018年度からは撤廃されています。
Q. 過去にANA運航乗務職(自社養成パイロット)試験を受験したのですが、再度受験することは可能でしょうか。。
A. 可能です
(ANA自社養成パイロットFAQ)
視力制限がない
パイロットになるための条件としてよく心配されるのが視力です。
僕が受験した当時は裸眼視力で0.7(うろ覚え)以上が条件でしたが、2014年に制限が撤廃されて矯正視力でOKになりました。
当時は少しでも目をよくするためにマジックアイみたいな本に必死で取り組んでたのはいい思い出です。
条件を満たしていればWebから誰でも応募できます。
自社養成パイロットの選考ステップ
応募してからの具体的な流れは次の通り。
1. 基本情報入力、筆記試験
自分の基本情報の入力、アンケート回答、そしてSPI試験をネットで受験します。
この段階でかなり足切りが行われることは覚悟しておきましょう。
2. 一次選考
エントリーシートを提出し、グループ面接を受けます。
3. 二次選考
航空模擬ツールを使った適性検査、心理検査
4. 三次選考
航空身体検査を受けます
5. 四次選考
個人面接、フライトシミュレーターを使った適正検査
6. 五次選考
個人面接、英語試験
どうです?めちゃくちゃ長いでしょ?
今みても鬼畜の所業としか思えません。なんですか、五次選考って・・・。
でも選考ステップは年度によって多少入れ替わりがあります。
僕が受験した約10年前だと、
基本情報入力、SPI試験
↓
筆記試験、グループ面接
↓
グループワーク、フライトシミュレーター(ここで失敗)
↓
航空身体検査
↓
最終面接
の流れでした(だったと思う)。
当時は正直いうと目が悪かったので仮にフライトシミュレーターを突破していても次の身体検査でダメだろうなぁと諦めモードでした。
フライトシミュレーターの思い出
当時の3次試験であるフライトシミュレーター。
自社養成試験の目玉かもしれません。
これは羽田空港のANA事務所の中で受験しました。
(参考:㈱エフエスシーマ)
指定された航路を飛びながらスピーカーからは英語による管制塔からの指示が飛んできます。
自機の便名が呼ばれた時に適切なボタンを押したり足のペダルを操作し、かつスクリーンではちゃんと操縦を続ける必要があったりとマルチな動きが要求されるフライトシミュレーター。
その様子を試験官が隣で見ているわけなのですが、さらに緊張するのが一緒にグループワークをこなし自分と同じ自社養成試験を受けている学生たちにも見られながら操縦していること。
よく考えると異様な光景だったかもしれません。
シミュレーターが終わると「もっと滑らかに操縦したほうがいいね」と試験管からアドバイスがありましたが、結局ここの選考を通過することができませんでした。
飛行機好きな人が集まっていた
グループワークとシミュレーターが終わると試験は終了して解散になるのですが、話の流れで自分を含めた学生たちは飛行機の離着陸が見える屋上に移動しました。
そこで交わされる飛行機談義が濃厚なこと濃厚なこと!
「自分は◯◯型の飛行機が一番好きだ」
「 この飛行機の特徴は・・・」
「あ!珍しい飛行機が飛んでる!」
など、気持ち半分は記念受験のつもりで受けたらフライトシミュレーターまで来てしまった自分はみんなの会話についていくことができず、 本気度というか熱意というかこの時点ですでにかなりの開きがあることに気付かされました。
[speech_bubble type=”ln” subtype=”L1″ icon=”yusuke1.jpg” name=”ゆーすけさん”] ここは自分がいるべき場所ではない [/speech_bubble]そう思った僕はそっとその場を後にしたのです。
まとめ
自社養成試験で年齢制限は設けていませんが、一生のうちに受験できる回数が限られています。
さらに年度によっては試験そのものが開催されない年もあり、ただでさえ狭き門がほんの数ミリ開くか開かないかという極限状態になることもあります。
記念受験しろとはいいませんけど、今まで知らなかっただけで自分には操縦の才能が眠っている可能性がある!ことに賭けてみるのもいい機会だと思います。
興味がある人はぜひ調べてみて下さい。