僕が複業をスタートして4年になりますが、最近は「複業・副業」がよく聞こえてくるようになりましたね。
どんどん流れが加速して欲しいと思っている頃、弁護士・参議院議員・起業家の3つのわらじを履く複業家の人が本を出版しました。
その名も『複業で成功する』。
なんとも興味をひかれるタイトルですが、その書籍を現役の複業家でもある僕が読んで感じたことを紹介します。
この記事の目次一覧
「複業で成功する」の概要
本の概要をざっくりまとめると次のような内容です。
- 複業に対する法律や社内規定の解釈が理解できる
- 複業(副業)容認はもはや福利厚生の一環
- 弁護士ドットコムの成り立ちが(嫌というほど)わかる
- こうすれば複業が見つかるというハウツーは載ってない
弁護士さんが書いたこともあって法律や社内規則の解釈の仕方は信憑性が高く、「複業がバレて会社から罰を受けたらどうしよう」と不安に感じている人の背中を押してくれることは間違いありません。
著者の元榮太一郎(もとえたいちろう)さんは起業家の面も持ち合わせていらっしゃるため、「起業は頭の片隅に入れておく程度でよい」としながらも、どうしても起業を前提にした複業の考え方寄りの内容になっていることは否定できません。
また、複業と副業をあえて分けて使っているのはいいんですが、ところどころで両者が混同してしまっているため正確な意図が伝わりづらいと感じるところもあります。
しかし全体的に複業初心者が感じるであろう疑問に答えてくれている良書であることは間違いなく、すでに複業をスタートしている人が読んでも学びのある内容でした。
特に、企業はどんどん複業(副業)を解禁していくべきと思っている僕からすれば、ぜひ会社の経営層に読んで欲しい1冊だと感じました。
複業は会社にとってのメリットになる
「副業をしているからこそ本業をおろそかにできない」という意識は、就業時間内の仕事でしっかりした成果をあげるインセンティブにもなります。
複業すると離職につながるかもしれない、生産性が低下するかもしれない。
これらは企業が複業に対して抱くマイナスのイメージの代表的な1つです。
しかし元榮さんは本書の中でそれを否定していて、他で学んだことを仕事にいかして相乗効果が期待できると言います。
さらに人材不足が大きな問題になっていますが、複業推進の今の世の中において積極的に複業を解禁することで社員にとっての福利厚生につながり、人が集まるはずともいうのです。
これは僕も全く同意見です。
複業は今や会社員が人生のやりがいを見つけるためのものであり、自分の身を守るための立派な手段の1つでもあります。
会社が複業を全面的に許可する姿勢を見せれば就職希望者にとって魅力的に映ることは間違いなく、人は逆に集まりやすくなるんじゃないかと思うんですよね。
終身雇用は崩壊しているわけですし、自分の身を守るための選択肢が持てる会社は選ばれる対象になると思います。
複業による相乗効果
(複業の)相乗効果は、足し算として膨らむというよりも、掛け算のように跳ね上がっていきます。
複業で身につけたスキルと経験は自分だけの財産なので、色々な学びを掛け合わせることでその効果が何倍にも膨らむとのこと。
これは個人的にまだ体感したことがない領域です。
足し算、つまり複業で身につけたスキルを本業に活かす経験は何度もありますが、それが掛け算のように影響が膨らむ経験はしたことがありません。
おそらく掛け算効果を実感するまでにはある程度の時間が必要になるのか、もしくは僕自身がもっと複業の幅を広げる必要があるのかもしれません。
複業が全てではない
(複業の)動きが加速化していくのは間違いありません。そういう時代のなかで自分が複業に何をもとめているかをよく考えて、それに合った道を選択すればいいのです
そうなんです、複業はかならずやらなければいけないものじゃありません。
何に価値を感じて行動するかは人次第なので、いくら周りが複業に熱を上げていたとしても最終的に自分で決めて選択すればいいんです。
「人がいうから・・・」「みんなやってるから・・・」みたいに判断基準が他人にあるうちはうまくいかないことが多いです。
自分で考えて複業に価値を感じる人が複業をスタートすればいい。それだけの話です。
複業は「好き」を基準に選ぶべき
複業はシナジー(相乗効果)を意識することも大切です。本業で身につけたスキルを生かしやすいだけでなく、その副業を行うことで収入以外のリターンを期待できる仕事を選べたらベスト。
元榮さんは相乗効果やスキル、期待収入ありきで副業(複業のことだと思うけど)を選べたらベストといっていますが僕はそうは思いません。
複業はかならず「好き」「楽しい」という感情がまず前提にあるべきで、収入はその次でいいと思っています。
簡単にいえば趣味を仕事にするイメージですね。
好きなことだけをやって生きていけるわけがありませんが、会社員という後ろ盾が存在する複業であればそれも可能なんです。
会社に守られているからこそ好きなこと(=複業)に専念できる。
好きを基準にするから大変なことでも継続できると思うんですよね。
元榮さんと意見が異なるのはなぜか?
元榮さんと僕の考え方が違うのは、2人が複業に求めているものが違うからではないでしょうか。
元榮さんは初めから起業ありきで複業を捉えていたようです。
人を巻き込んでの起業ですしお金もかかるわけなので、絶対に失敗するわけにはいきません。収入を目的とした複業になって当然です。
一方の僕は仕事のやりがいとか月1万円ほどの副収入があったらいいなというのが最初の目的でした。
今でこそ複業による収入にも重きを置くようになりましたが、複業のとっかかりをお金にすると挫折しやすいと感じます。
まずは複業から得られるやりがい・承認・充実感を理解し、そこからスキルとの掛け合わせや収入を意識するのでも遅くないと思います。
全体を通しての感想
先にも書きましたが、弁護士さんが語る複業に対する法的解釈の部分は大いに役立つと思います。
会社にバレないようビクビクしながら複業をしている人でもドンと構える余裕ができることでしょう。
その部分だけでも十分に価値のある本といえますが、複業でかなりの成功をおさめている元榮さんの実体験も聞けてお得感のある一冊でした。
これからもこの類の複業本はどんどん世に出てくると思いますし、僕が紹介している複業コンテンツも増えてきます。
何においてもいえることですが、本当に大切なことは行動することなので、本の学びを実践に活かしましょう!